東京の家は地震でも搖れたら危い

『さあ、何方《どつら》だたべす。』『何方だたべな。』『困つたなア。』『困つたなす。』と、二人は暫時《しばらく》、呆然《ぼんやり》立つて目を見合せてゐたが、『表なやうだつけな。』とお八重。『表だつたべすか。』『そだつけ。』『そだたべすか。』 軈て二人は蒲團を疊んで、室の隅に積み重ねたが...

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枕邊の障子が白み初めた許りの時

[#6字下げ]八[#「八」は中見出し]

 翌朝は、枕邊の障子が白み初めた許りの時に、お定が先づ目を覺ました。嗚呼東京に來たのだつけと思ふと、昨晩《ゆうべ》の足の麻痺《しびれ》が思出される。で、膝頭を伸ばしたり屈《かゞ》めたりして見たが、もう何ともない。階下《した》ではまだ起きた氣色《けはひ》がない...

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二十四五の立派な男

 二人は、それから名前や年齡《とし》やをお吉に訊《き》かれたが、大抵源助が引取つて返事をして呉れた。負けぬ氣のお八重さへも、何か喉《のど》に塞《つま》つた樣で、一言も口へ出ぬ。況《ま》してお定は、これから、怎《どう》して那※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-94-57]...

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