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『水道』が流場の隅にあつた

 お定は、怎※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-94-57]物に水を汲むのだもの、俺には解る筈がないと考へた。 此家では、『水道』が流場の隅にあつた。 長火鉢の鐵瓶の水を代へたり、方々雜布を掛けさせられたりしてから、お定は小路を出て一町程行つた所の八百屋に使ひに遣ら...

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奧樣が起きて來る氣色がした

[#6字下げ]一〇[#「一〇」は中見出し]

 目が覺めると、障子が既に白んで、枕邊の洋燈は昨晩の儘に點いてはゐるけれど、光が鈍く※[#「虫+慈」、U+45F9、196-上-20]々《じゝ》と幽かな音を立ててゐる。寢過しはしないかと狼狽《うろた》へて、すぐ寢床から飛起きたが、誰も起きた樣子がない。で...

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お定は其處に膝をついて

 お定は其處に膝をついて、開けた襖に[#「襖に」は底本では「襖を」]片手をかけた儘一時間許りも身動きをしなかつた。先づ明日の朝自分の爲《せ》ねばならぬ事を胸に數へたが、お八重さんが今頃|怎《どう》してる事かと、友の身が思はれる。郷里《くに》を出て以來、片時も離れなかつた友と別れて、源助にもお吉にも離...

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