第二の瓶の内容

[#ここから4字下げ]神様からも人間からも救われ得ぬ[#地から2字上げ]哀しき二人より[#ここから2字下げ]お父様お母様皆々様[#ここで字下げ終わり]

◇第二の瓶の内容[#「◇第二の瓶の内容」は中見出し]

 ああ。隠微《かくれ》たるに鑒《み》たまう神様よ。 この困難《くるしみ》から救わるる道は、私が死ぬよりほかに、どうしても無いので御座いましょうか。 私たちが、神様の足※[#「登/几」、第4水準2-3-19]《あしだい》と呼んでいる、あの高い崖の上に私がたった一人で登って、いつも二、三匹のフカが遊び泳いでいる、あの底なしの淵の中を、のぞいてみた事は、今までに何度あったかわかりませぬ。そこから今にも身を投げようと思ったことも、いく度《たび》であったか知れませぬ。けれども、そのたんびに、あの憐憫《あわれ》なアヤ子の事を思い出しては、霊魂《たましい》を滅亡《ほろぼ》す深いため息をしいしい、岩の圭角《かど》を降りて来るのでした。私が死にましたならば、あとから、きっと、アヤ子も身を投げるであろうことが、わかり切っているからでした。

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